小さなキッチンから主婦サリーのささやかな暮らしを届けます。
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むかしむかし、実家の近くの街に

とある家具のショールームがありました。

私も母もその夢のような空間が大好きで

買い物ついでに立ち寄っては

2人でうっとりしていたものです。







そのショールームで当時とてもユニークだったのが

システム家具という発想。

小さな箱一つから始めて、結婚、出産、引っ越し、マイホーム

など人生の節目節目に合わせてパーツを増やし、

また間取りによって柔軟に配置を換えるなど

一生を通じ、または次世代に渡って

大切につきあうというコンセプトの家具でした。








数あるシリーズの中で、私はマホガニーの

家具に一目惚れ。SNOWさんとは真逆の(笑)

緩やかな曲線を描く重厚な飾り棚に

心奪われて、いつかマイホームを持った時、

リビングの一角に必ずこれを置く!と

決めたのですわ。








月日は流れてやがて結婚。

父と母は私の望み通り、まずはこのシステム家具で

タンス三棹とローボード、そしてドレッサーを

あつらえてくれました。

小さなアパートには不釣り合いの贅沢では

ありましたが、ここから始まる一歩。

妥協はできませんでした。







こなすが生まれて収納が必要になると

タンスに上置きをプラス。

私の人生とともに家具もいっしょに育つ、

そんな感覚を覚えたものです。

欠点はただ一つ、タンスといえども

システム家具。すべてのパーツを

組み合わせ、さらに三棹全体が

固定されているので、タンスが置かれた部分だけ

畳替えができないことでした。









畳替えのたびに家具を解体、組み立てなど

できるはずもないので、そのことだけが

唯一の不満でしたが、それ以上にやはり

満足のほうが勝ちました。







母もこの私の家具をとても気に入って

実家のリフォームをきっかけに寝室を

このシリーズでまとめてしまいました。

私と同じ上置きを追加したタンス三棹に

部屋の一角にちょっとした書斎コーナーを

作ったり。全く同じ家具なので、

寝室に入った時は実家なのに帰った感がないのは

不思議でしたが。










そしてまたまた月日は流れ、ようやくマイホーム。

既存のローボードは更なる(笑)進化を遂げ、

娘時代の憧れそのままの姿で

我が家のリビングにやってきたというわけです。

おなすさんがインテリアに全く興味がないというのも

よかったのでしょうね。

夫婦でテイストの好みが違えば喧嘩の元。

おかげで私の長年の夢は無事叶いました。










ただ、この時にはもう父は亡くなり、母も

同じマンションに越してきたわけですが

寝室の小さな書斎コーナーにあったデスクは

置き場所がないからとウオークインクローゼットに

追いやられ、さらにその上にポリプロピレンの

収納ボックスまで乗せられて、とても気の毒な有様に……。

本や雑貨を収納するための小さなガラス棚も切り離されて

別の部屋にぽつんと置かれ、なんだかとても

わびしい気持ちになったのを今でも覚えています。










すべて同じシリーズで統一していた我が家と違って

母の場合は部屋ごとに異なる素材の家具を置いていたので

システム家具といえどもそのメリットを発揮できなかった

のですね。私とおそろいのタンス三棹も一棹と二棹に

分割されてひとつは納戸代わりの部屋に。

タンスもデスクも父母の寝室にあったものなので

それがバラバラになって、役割を果たしていないというのは

やっぱり悲しかった。家具も使ってこそ、ですものね。











そしてまたまた月日は流れ、母の部屋を処分することに……。

短期間で何もかも廃棄してしまったわけですが

どうしても手放せなかったのがクローゼットに

追いやられたデスク。

ちょっとした書き物や読書、こなすも

椅子に座って電話をかけるまねごとをしたり

なつかしい思い出がありましたからね。










今はなんでも使い捨ての時代。

インテリアも北欧の白い家具が人気で

我が家のマホガニーちゃんはまさに時代遅れ。

何より家具材としてのマホガニーはもう

手に入らないそうなので、うちの家具は

現役なのにすでにアンティークという

ある意味絶滅危惧種かもしれません。










それでも娘時代の夢とそれからの人生の

節目ごとの幸せが詰まっている家具は

私の宝物。今回のリフォームでも大がかりな

解体と梱包、保管、組み立てがありましたが

関わってくれた方々の手間と苦労に

報いるためにも、これからもずっと

大切に使い続けようと思います。









そして今、こうしてブログをしたためているのは……。




 母のところからレスキューした

 デスクです。南向きの明るい

 リビングでパソコンデスクとして

 見事に復活しましたの。

 24年目にしてようやく日の目を

 見ることができました。



デスクで使っている椅子も母の食卓椅子。

二脚だけ残して、もうひとつは

こなすの部屋にコーヒーテーブルとともに

置きました。気が向いたらそこで

お茶を飲んだり、本を読んでもいいかな。



 更にもうひとつ。お揃いのタンスの

 扉の中には可動式の引出しがついて

 いました。上半分は母のタンスに

 あったものです。







母のタンスはすべて、我が家のマホガニーちゃんも

一棹処分したので、せめてこの引出しだけは

残したいと、おなすさんに運んでもらいました。

引出しを外してもかなりの重さで大変だったと

思いますが、今は扉を開けるたびに満足。

以前は収納の足りない分はポリプロピレンケースで

補っていましたが、やはり木は温かみが

うれしくて。


 このところ、にんじんの千切りが

 楽しくなってきました。今の

 不満はスライサー。厚さ1ミリ

 なのでもっと薄切りにできるのが

 ほしいところ。






 キャロットラペはオレンジを

 加えるのが今のお気に入りですが

 味つけはこれまで通り、レモンと

 お砂糖たっぷりに戻しました。

 






 この器も母のところから

 持ってきました。娘時代、

 このグラスにババロアや

 アイスクリームを盛りつけて

 楽しんだものです。





お皿は和食器ですが、合わせてみれば

案外お似合いでしょう?

家具も器も使ってこそ。

決まりなどに縛られず、とにかく

使って使って、家全体をすべて

愛着で満たしたい。










まだまだ1人暮らしの私。

雨の一日に強く思います。

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